シンセサイザーと聞いて思い浮かべるのが「小室哲哉がライブで何台も自由自在に操り、わけのわからないボタンがいっぱいついたキーボード」こんな感じでしょうか。
初心者の方だと「ボタン多すぎてややこしい!」「どれを選べばいい?」「そもそもシンセサイザーってなに?」「キーボードと何が違う?」とまぁなかなかややこしい楽器。
ということで今回は「シンセサイザーの選び方と種類」を解説していきます。
また、メーカー別の特徴とおすすめシンセサイザーをいくつかピックアップしてみました。
目次
シンセサイザーとキーボードーの違いって?
シンセサイザー
キーボード
シンセサイザーとキーボードって似てますよね。どう違うのか?というと
・シンセサイザーは「音を作り出す楽器」のこと。
・キーボードは「楽器に取り付けられた鍵盤」のこと。
他に似ている楽器と言えばオルガンやエレクトーンですが、これらはすべてキーボードと言います。なぜなら鍵盤が取り付けられているから。
シンセサイザーは"自ら音を作り出す"ことができる楽器になります。
ではもう少し詳しく互いの楽器の違いを見ていきましょう。
シンセサイザーとは?
シンセサイザーは「合成エンジン」といって音を合成(シンセサイズ)することができる楽器です。
例えばハーモニカやピアニカに「音を合成(シンセサイズ)することができる機能」がついていたら、それはシンセサイザーになります。
「シンセサイザー+キーボード(きっかけとなるスイッチ)」という組み合わせが一般的によく見るものですが、鍵盤を持たない音源モジュールのみでもシンセサイザーと呼びます。単に音源と呼ばれることもある。
キーボードとは?
パソコンのキーボードと音楽のキーボードって同じ言葉ですよね。本来キーボードとは「鍵盤」を意味します。
そして、鍵盤のついた楽器はすべてキーボードと呼ばれます。
なので「鍵盤付きのシンセサイザー」は鍵盤がついてる時点でキーボードとも呼べますし、当然シンセサイザーと呼んでも問題ありません。
シンセサイザーとキーボードの呼び分け方
少しややこしくなってきましたね。キーボードとも呼べるしシンセサイザーとも呼べる。結局どう呼び分けたらいいのか?というと
シンセサイザーと呼ぶ時
「シンセサイザーを演奏してみた」だと、音を合成(シンセサイズ)することができる楽器でないとシンセサイザーと呼べません。鍵盤があってもなくてもです。
キーボードと呼ぶ時
「キーボードを演奏してみた」だと、例えばピアノやエレクトーンを演奏していても問題ない。もちろんシンセサイザーを演奏していてもキーボードを演奏してみたという言葉で問題ない。
なぜなら鍵盤の付いてる楽器だからです。鍵盤が付いてる楽器ならすべてキーボードという言葉で呼んでもいいんです。
シンセサイザーの種類
ここで紹介するのはハードウェアシンセサイザーといって「物体があるシンセサイザー」です。ちなみにDTM等で使われるのはソフトウェアシンセサイザーといって「パソコンで使用するシンセサイザー」になります。
ハードウェアシンセサイザーには以下のような種類があります。
・デジタルシンセサイザー
・アナログシンセサイザー
・ギターシンセサイザー
・ベースシンセサイザー
・ウインドシンセサイザー
・ショルダーシンセサイザー
で、最初の1台目に選ばれるのが「デジタルシンセサイザー」が多く、シンセサイザーとしてはスタンダードなものになります。
アナログシンセサイザーは音作りが難しく初心者の方だとハードルが高い。
どちらもシンセサイザーとしてイメージしやすいキーボードがついたシンセサイザーになります。ここではデジタルとアナログの違いを説明しておきます。
デジタルシンセサイザーとは?
初心者からプロまで1台は持っているシンセサイザーで主にピアノ、オルガン、エレピなど。
あらゆる音を出すことができ、さらにそれらを組み合わせて音を作ることもできます。
初心者でも細かい設定なしにボタン一つで音作りができる便利なもので、幅広いジャンルに対応できるというのも大きなメリット。最初の1台目はデジタルシンセサイザーというのが無難でしょう。
アナログシンセサイザーとは?
デフォルトで完成した音色が準備されてるのがデジタルで、短形波やノコギリ波といった音の素材が準備されてるのがアナログになります。
アナログは音の素材を組み合わせ1から音を作らないといけなく、音作りの知識は必須です。
かなり専門職的なシンセサイザーになるので初心者の方だと扱いが難しい。
しかしアナログの音質、音作りをデジタルで再現できるシンセサイザーもあります。
※アナログモデリングシンセサイザーやバーチャルアナログシンセサイザーなど。
シンセサイザーの音の種類
音を作ることができるシンセサイザーですが、その作り方もいろいろ。加工方法が変わればその名称も変わってきます。
次に音の種類を見ていきましょう。
スタンダードなシンセサイザー
音を合成することで効果音やノイズといった「物理的に出せない音」を作ることができます。
一般的によく使われるシンセサイザーがこれ。
サンプリングシンセサイザー
本物の楽器の音を録音し、それを電気信号に変えて加工するものがサンプリングシンセサイザーです。
機械音でなく生の楽器から録音した音はよりリアリティーある演奏が可能となります。
例えば楽器だけじゃなく人の声もサンプリングすることができ「初音ミク」がわかりやすい例でしょう。
物理モデリングシンセサイザー
物理エンジンを使用し楽器をシュミレートするシンセサイザーになります。
んー少しわかりづらいですね。もう少し噛み砕くと
たとえばピアノの場合
①鍵盤を叩くとハンマーが弦をたたく。
②弦が振動。
③ボディーに共鳴。
④音が出る。
さに、アコギの場合
①弦を弾く。
②弦が振動。
③ボディーが共鳴。
④音が出る。
これらを細かく設定できるのが物理モデリングシンセサイザーということ。
楽器の音を録音したサンプリングシンセサイザーでは膨大な容量が必要となります。
ので、処理が重たくなるというデメリットを解消するために作られたのが物理モデリングシンセサイザーというわけです。
シンセサイザー購入時にチェックする項目・選び方
要チェック!!
シンセサイザーにもいくつか種類がありましたね。鍵盤数や音色の数など、当然使用用途によって購入すべきシンセサイザーは慎重に選ぶべきです。
ということでここでは購入時にチェックしておくべき項目を見ていきましょう♪
ポイントは以下の4つ。
・何に使うのか?
・やりたい音楽のジャンルは?
・サイズや重さは?
・最高予算は?
何に使うのか?
ライブで使用する場合はシンプルなものがいいでしょう。
また、「曲作り用」や、「ライブ+曲作り用」として使用したい場合、レコーディング機能はあるのかどうか?同時に出せる音の数は?同時に出せる音色の数は?などのチェックもしておきましょう。
やりたい音楽のジャンルは?
スタンダードなバンドサウンドとなれば「ピアノ」「エレクトリックピアノ」「オルガン」「ストリングス」などです。
スタンダードな鍵盤は「61鍵盤」ですが、ピアノ中心で演奏したい場合はもう少し鍵盤数を増やすべきかと。
また、一般的に最初の1台目は幅広いジャンルに対応できる「デジタルシンセサイザー」を選択するところですが、冷たくロボットのような音(ピロピロ、ピコピコなど)を取り入れたい場合はアナログシンセサイザーを検討するのもいいかもしれませんね。
サイズや重さは?
バンドで使用するのに持ち運ぶのか?はたまた家で使うのか?でサイズや重さは重要になります。
例えば持ち運びが車の場合どんなサイズや重さでも問題ありませんし、常時自宅という場合も問題ありません。
しかし電車や自転車だと話が変わってきます。
重さは鍵盤数に比例するので、鍵盤数が多いものは移動手段も考えて選ぶべきです。とくにシンセサイザーはデリケートな楽器なのでぶつけたり落としたりしたら一瞬でおじゃんですからね(笑)
最高予算は?
安いものなら6~7万。まぁまぁの物なら10万~12万。あとはピン切りですが、10万~12万ぐらいのものなら多機能な製品が多く、ライブでも十分な働きをしてくれるでしょう。
ある程度の予算は決めておくべきですが、重要なのは予算よりも「必要なシンセサイザー」を選ぶことです。
高価なシンセサイザーを買っても安いシンセサイザーの機能で十分な場合もありますし、その逆もあります。
順番は必要なシンセサイザーを選ぶ→予算内なら購入。これがもっともスマートかと。
シンセサイザー最初の1台目・メーカー別おすすめ3選
シンセサイザーで有名なメーカーがこちら。
・ローランド
・ヤマハ
・コルグ
以上の3大メーカー。他にも「カシオ」や「モーグ」も有名どころですが、ここでは最初の1台目ということで比較的初心者でも扱いやすい「ローランド」「ヤマハ」「コルグ」のシンセサイザーを見ていきましょう。
それぞれメーカー別に特徴が違います。
ローランドの特徴
煌びやかで明るく初心者にも扱いやすい軽量且つコンパクトなシンセサイザーでライブ用として使われてる方が多いです。
入門用でおすすめできるのは間違いなくローランドでしょう。
ライブも作曲も楽しめる~ROLAND FA-06
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
ローランド最高峰「Super Natural音源」を搭載し生楽器のリアルさが評価ポイント。
Super Natural音源とはアコースティックギターやピアノ、ストリングス、管楽器などの音をリアルに再現してくれるものです。また音色ダウンロードサイトAxialから膨大なサウンドを入手でき音作りが苦手な人でもこれなら安心。
さらにはシーケンサー機能、サンプラー機能といったシンセサイザーならではの機能も充実しており、この1台で1曲作れてしまい、作詞作曲したい人にもおすすめ♪また、ライブで弾かないパートを打ち込んでおくこともできます。
シーケンスとは「順番」を制御するコントローラーのこと。あらかじめ決められた条件にプログラムしておくことができます。
録音したさまざまな音色データを音源に使用できるものです。外部から音声をサンプリングすることもできる。
同シリーズ
ヤマハの特徴
生楽器に力を入れていて、ジャズやフィージョンを得意とします。
また、難しい音作りよりもまずシンセサイザーを「楽しもう!」というのがヤマハらしいコンセプトとなっています。
超軽量!持ち運び最強~YAMAHA MX61
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
全重量が4.8kgという超軽量設計で、ほぼエレキギターと同じ重さになります。ライブやスタジオへの持ち運びを考えている方にはおすすめ♪
ちなみに同シリーズの「MX49」は3.8kgと、鍵盤数が違うだけで機能はまったく同じ、ヤマハのMXシリーズは「手軽に持ち運べる」魅力があります。
さて、音色はというと、MOTIFシリーズ直系の1000を超える音色を搭載しています。
ピアノ、エレクトリックピアノ、ストリングスなど、バンドでよく使われる多彩な定番サウンドが充実しバンドでの即戦力は間違いないでしょう。
中でもヤマハらしい心地いい"ピアノサウンド"には注目したいところ。
また、初心者に優しいインターフェイスで、パネル上に16個の楽器カテゴリーボタンが配置されていて簡単に音色選択できるほか、2つの音色を重ねたり、音域ごとの分割配置もできます。
気軽にシンセサイザーを楽しむならヤマハで決まりか。
同シリーズ
コルグの特徴
コルグは音がかたく太く、厚みを重視しています。
またコルグのKROMEシリーズでは大型の液晶タッチパネルを搭載し音楽制作機能も充実しています。
PC不要!タッチパネルで音楽制作~KORG KROME-61
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
61鍵、73鍵はナチュラルタッチセミウェイテッド、88鍵はリアルウェイテッドハンマーアクションを搭載し、打ち込みメインで音楽制作されたい方は61鍵でも十分だと思います。
German D Grandという音源を搭載し、同価格帯のシンセサイザーの中では特にピアノ音色が強い印象です。また、鍵盤をたたいた時の強さによって8段階まで強弱をつけることができる「8段階ベロシティスイッチ」で演奏者の表現力をそのまま伝えてくれます。
そしてKROME最大の魅力は見やすい作曲画面でしょう。液晶タッチパネルで「プログラムモード」「コンビネーションモード」「シーケンサーモード」と大きくわけて3つのモードが選択できます。
プログラムモードは「基本」
コンビネーションモードは「最大16種類のプログラムを重ねリアルタイムで演奏が可能」
シーケンサーモードは「編集、録音ができる」
直感的に操作できるタッチパネルだとストレスなくスムーズに音作り、作曲ができるのはKROMEの魅力でしょう♪
同シリーズ
メーカー別シンセサイザー早見表~まとめ
メーカー別シンセサイザーの特徴をまとめます。