一見ピアノに似てますが、機能や演奏方法は全然違います。エレクトーンとは「いろんな楽器を」「一人で」「演奏できる」楽器になります。
本記事では、エレクトーンの特徴や演奏方法といった基本的なことから、初心者におすすめの楽譜や、用途別に合わせたエレクトーンを紹介したいと思います。
目次
エレクトーンってどんな楽器?
オルガンという楽器は聞いたことありますよね?結婚式の教会でダダダダーーンって演奏するあれです。
オルガンはパイプに空気を送り音を出していますが、エレクトーンはそれを電子化した楽器で電子オルガンとも呼べます。
ちなみにヤマハが出してる電子オルガンが「エレクトーン(2段以上の鍵盤)」でカワイは「ドリマトーン」と呼び、現在定着してる呼び方がエレクトーンということです。
エレクトーンで出来ること
ざっくりエレクトーンで出来ることを箇条書きでまとめると
- 様々な"楽器の音"が詰まっている(弦楽器や管楽器、打楽器までも)
- 一つの音を単独で鳴らしたり、複数の音を重ねて出すこともできる。
- 一人でバンドしたり、オーケストラしたり出来る。
- 本体内蔵のレジストレーションというボイス(音色)、リズムの組み合わせを使い演奏することができる(オリジナルで作ることもできる)
まとめると「いろんな音出せて、一人ぼっちでも盛大な演奏ができる!」というのがエレクトーンです。
当然一人演奏だけじゃなくライブでは生演奏するのもよし、仕込んでおくのもよし、他の楽器とアンサンブルするのもよし、っと使いどころ満載でとっても便利な楽器。
同じ鍵盤がある楽器との違い
次にピアノ、シンセサイザー、オルガンなど似てる楽器との違いを見ていきましょう。
ピアノはエレクトーンのようにいろんな音を出したり作り出すことはできません。
そして減衰音(鍵盤を叩いたら少しずつ小さくなる音)であるピアノに対してエレクトーンは持続音で打鍵後も音に変化を加えることができ、弦楽器や管楽器の表現も可能にしています。
ピアノが直球タイプならエレクトーンは変化球タイプということですね。
ピアノの鍵盤タッチについてはこちらで詳しくまとめています。
シンセサイザーもエレクトーン同様、音を作り出し、それらを編集したり生演奏することができます。
エレクトーンと似てますが決定的な違いは
シンセサイザーは「音作りメイン」
エレクトーンは「演奏メイン」
エレクトーンは人に"聴かせる"ために作られたものだと思ってください。
シンセサイザーについてはこちらで詳しくまとめています。
オルガンを電子化したのがエレクトーン(電子オルガン)になります。
オルガンはオルガン演奏のみですが、エレクトーンは様々な音色を同時に出すことができます。
エレクトーンの演奏方法は?
エレクトーンがどんな楽器かわかったところで、次に実際どうやって演奏しているのか?
とりあえず参考になるエレクトーン演奏動画を見てみましょう。
というようにエレクトーンは両手両足フルに使って弾いてるのがわかります。
では、それぞれどんな役割分担なのか?というと
上鍵盤 | メロディーを弾きます(右手) |
下鍵盤 | 伴奏を弾きます(左手) |
ペダル鍵盤 | ベースを弾きます(左足) |
エクスプレッションペダル | 音量を調整するペダルです(右足※右側ペダル) |
セカンドエクスプレッションペダル | 音程を上下させたり、リズムやテンポをコントロールするペダルです(右足※左側) |
右足のエクスプレッションペダルとセカンドエクスプレッションペダルは演奏する音楽によって使ったり使わなかったりしますし、左足のペダル鍵盤を両足で弾くこともあります。
また複数の音を組み合わせたパーカッションパターンを本体にあらかじめ仕込んでおいてボタン一つで操作しながら演奏することもできます。
一曲完成するまでの流れ
それぞれの役割がわかったところで、実際一曲完成させるにはどんな流れで進めていくのか?
やりたい曲が決まって「さぁ弾くぞ!」と張り切ったものの、まず何をしたらいいかわからないですよね。
ってことでざっくりではありますが一曲完成するまでの流れをまとめます。
- 弾きたい曲を決める。
- 上鍵盤、下鍵盤、ペダル鍵盤のボイスを決める(音を重ねて出したり鍵盤の位置で指定したりもできる)
- リズムを決める(本体に内蔵されてるパターンから選んだり、一部アレンジしたり、最初から作ったりもできる)
- 楽譜を見て鬼練習(上達のコツは一曲通しの練習より出来ないところを反復練習したほうが効率がいい)
- 完成♪
これがエレクトーンの基本的な流れです。
楽譜の読み方と練習方法
通常のピアノ楽譜は2段譜ですが、エレクトーンの楽譜は3段譜になります。
簡単な楽譜を用意しました。
- 一番上が上鍵盤(メロディー)
- 真ん中が下鍵盤(伴奏)
- 一番下がペダル鍵盤(ベース)
エレクトーンは同時に3つの楽譜を見て演奏するためピアノよりハードルが高く慣れるまで大変です。
練習方法としてはパートごとにわけて練習し「とにかく慣れる」これしかありません。
最初は片手、そして左手、最後にペダル。
それぞれのパートが弾けるようになったら片手から両手へ、最終的にペダルも入れて同時演奏という流れが無難でしょう。
ピアノができる人はペダルを入れるだけなのでスッとできるかもしれませんが、鍵盤楽器初心者の方だと根気よく練習していくしかありません。
寝ても覚めても練習練習・・・クリスマスだろうが、正月だろうが一日一回とりあえずエレクトーンの前に座ることが大事。
エレクトーン初心者・楽譜の選び方
本屋に行けばエレクトーンの楽譜なんて大量にあります。
さて、どれを選べばいいか迷いますよね。ここでは「自分に合う楽譜の選び方」を説明します。
特にこれからエレクトーンをはじめようと思ってる方はちゃんと楽譜を見て練習してください。というのも楽譜を読む勉強にもなりますし、楽譜を初見で弾けるようになると"好きなときに好きな曲が弾ける"というのが本当に面白く感じると思います。次どんな曲にしようか~っと本屋に行く楽しみも増えますしね♪
楽譜の種類
自分に合う楽譜といっても人それぞれなので「どう練習していきたいか?」で大きくわけてみます。
そこで種類別にわけてみることに。
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント
最初は入門レベル、そして8~9級、6~7級と徐々にステップアップしていきましょうという楽譜です。
基礎から学ぶことができ、自分のレベルに合ったスキルを身につけていくことができます。
仕事も勉強もコツコツタイプの人におすすめ。
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント
エレクトーンならではの楽譜で伴奏をサポートしてくれるデータ付き楽譜があります。
例えばまだ全然弾けなくて面白くない!という方でもサポート音源を使えば簡単にゴージャスな音楽を楽しむことができます。
まずはエレクトーンの面白さに触れてみたい人におすすめ。
楽譜に付属の音源データは、エレクトーン本体の機種によって対応していないものもあるので購入前には必ずチェックしてください。
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント
音程やリズムを知ってるだけで上達もしやすく知ってる曲だけに「楽しく練習できる」という最大のメリットがあります。
音楽教室の先生も、音楽をやってる人も「音楽は楽しむことが大事」と考える人が多く、実際楽しむために始めるわけですから弾いてみたい曲があったらどんどんチャレンジしていくべきです!
好きな曲を弾いて上達していきたい人におすすめ。
おすすめエレクトーン5選
ヤマハエレクトーンの種類ですが大きく分けて「スタンダード・カスタム・プロフェッショナル・ステージアミニ」と4つのモデルがあり、2014年にELS-02シリーズが登場しています。
ここでは以下の用途別におすすめのエレクトーンをピックアップしています。
①本格的にやりたい人向け
②これから始めたい人向け
③ライブで使いたい人向け
①本格的にやりたい人向け~STAGEA ELS-02シリーズ
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント
エレクトーンは2019年で60周年を迎え様々な機種が登場してきました。
2014年にはELS-01からバージョンアップして現在の機種は「ELS-02」として登場。
よりアコースティック音源を自然に表現できるようになり、リズムパターンや音色の組み合わせもグレードアップしています。
スタンダード→カスタム→プロフェッショナルという順番で機能が増えていき、セカンドエクスプレッションペダルなどの追加装備もされていきます。
現在ヤマハのエレクトーンの代表機種と言えるでしょう。お値段もなかなか・・・
プロフェッショナルモデル
②これから始めたい人向け~STAGEA ミニ ELB-02
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント
音楽教室によくあるベーシックエレクトーンで、子供の体格に合わせてコンパクト化されています。
エレクトーン初心者の子供から大人まで、これから始めたい!という方におすすめ。
音色は540種類で、管楽器、弦楽器など様々なボイスを表現することができ、リズムパターンは368種類。キーボードパーカッションも搭載しています。
540種類とか368種類とか初心者の方だとピンとこないと思いますが、十分過ぎる数でしょう。
またステージアELS-02シリーズに比べ鍵盤仕様が違い、アフタータッチは搭載されていません。
一度鍵盤を押した後、さらに押し込むと音量が増加したりモジュレーション効果を追加する機能。
③ライブで使いたい人向け~STAGEA ELC-02
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント
家で弾いて満足するのか、誰かに聴かせたいのか?はたまた漠然と弾いてみたい!だけなのか、始める理由は人それぞれですよね。
もし将来ライブで弾きたい!や幅広いシーンで本格的エレクトーンを気軽に楽しみたいと考えてる方にはおすすめです。
ステージアELS-02シリーズとの違いはパネルやボタン数、ニーレバーの操作をフットペダルで行ったり操作性が若干違いますが演奏機能は変わりません。※ELS-02のニーレバーは別売り。
重量は「ELS-02の102.5kg」に対し「ELC-02は46.8kg」とおおよそ半分の重量です。
まとめ
この記事で解説したエレクトーンについて簡単にまとめます。
- エレクトーンはオルガンを電子化させた電子オルガンのこと。
- ヤマハは「エレクトーン」でカワイは「ドリマトーン」と呼ぶ。
- エレクトーンは様々な楽器の音が出せる。
- 一人でも盛大な演奏ができる。
- 体全体で弾く楽器(右手でメロディー、左手で伴奏、左足でベース、右足で音量調整など)
- 一曲完成するまでの流れは→弾きたい曲を決める→ボイス(音色)を決める→リズムを決める→演奏する。
- エレクトーンの楽譜は3段譜で上から上鍵盤(メロディー)、下鍵盤(伴奏)、ペダル鍵盤(ベース)の順番で読む。
- 楽譜の選び方は「ステップアップタイプの楽譜」「サポート音源付きの楽譜」「知ってる曲で練習する楽譜」の中から自分に合うものを選ぶ。
- 本格的にやりたい人は「STAGEA ELS-02シリーズ」
- これから始めたい人は「STAGEA ミニ ELB-02」
- ライブで使いたい人「STAGEA ELC-02」