ヘッドホンは大きく分けて二種類あります。
「音楽を聴くための鑑賞ヘッドホン」と「スタジオ録音用のモニターヘッドホン」
今回ご紹介するのはスタジオ録音用のモニターヘッドホン【ソニーMDR-CD900ST】
業務用モニターヘッドホンとしては世界的に有名で、フラットで素直な音が音源そのものを再現してくれる今も昔もプロに愛される一流のヘッドホンです。
モニターヘッドホンを選ぶ上では最もスタンダードで間違いはない選択肢といえるでしょう。
今回はそんなモニターヘッドホン【ソニーMDR-CD900ST】の魅力に迫りたいと思います♪
目次
鑑賞ヘッドホンとモニターヘッドホンの違い
鑑賞ヘッドホンは「音楽を聴くためのヘッドホン」で聴く音楽によって聴こえ方が違ったり好みで選べます。
自分にとってどれだけ気持ちよく聴こえるかどうかが重要。
一方モニターヘッドホンは鑑賞用ではなく「確認(チェック)」するために使用するヘッドホンになります。
確認というのは音源におかしいところはないか?荒はないか?など細かい部分を聴き取り修正。
鑑賞用のヘッドホンではこれができないためエンジニアはモニターヘッドホンを使い仕事をしています。
モニターヘッドホンの特徴
モニターヘッドホンの特徴を詳しく見みると鑑賞用とは全く違うことがわかります。
大音量でも壊れない
モニターヘッドホンでは大音量での音源チェックがあるため、鑑賞用とは構造が違う。
頑丈
モニターヘッドホンは個人のみならず、仕事の備品としても使用されていて、長期間の使用が想定されるため耐久性が高い。ものによっては十年以上使っても壊れないというレビューもある。
デザインには拘らない
音を聴き取ることが目的なのでデザインはシンプルなものが多い。必要最低限のものしか装備されていないものもある。
音質はフラット
楽曲制作など音の良し悪しを判別するには、すべての音域を均等に出力し、どれだけ原音に忠実であるかがモニターヘッドホンに求められる要素。そのため音質はフラットである。
おすすめのモニターヘッドホンはソニーのMDR-CD900ST
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
ソニーの「MDR-CD900ST」というプロも使用する業界標準のド定番。
ソニーとソニー・ミュージックエンタテインメントによる共同開発で、1989年に登場し、モニターヘッドホンの代名詞となりました。
当初は業務用として一般ユーザーへの販売は行われておらず、そのため初期不良以外の保証がなく販売されているのも特徴です。
1995年から一般販売されるようになり音楽業界、アマチュア、オーディオマニアなどに幅広く知られ、今も尚、根強く活躍し続けています。
型名 | MDR-CD900ST |
形式密閉 | ダイナミック型 |
ドライバーユニット | 40mm、ドーム型(CCAW採用) |
最大入力 | 1,000mW |
インピーダンス | 63Ω |
音圧感度 | 106dB/mW |
再生周波数帯域 | 5~30,000Hz |
コード長 | 2.5m |
コードの太さ | Φ4.0mm |
プラグ | ステレオ標準プラグ |
質量 | 約200g(コード含まず) |
参考・参照MDR-CD900ST - ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
MDR-CD900STってどんな音?
歪がなく原音そのままの音質に優れています。
音が重なっても危なげなく聴き取ることができ音像はハッキリ明確。また、鑑賞ヘッドホンのように聴きやすくはなく、あくまで聴き取ることができる完全業務用です。そのため長時間の視聴は疲れやすいというのも特徴的。
使用した人はわかると思いますが、中音域に表現力があり、ボーカル、楽器のチェックには最適です。誤魔化しの効かないクリアなフラット音質にボーカル録音すると自分の下手さに叫びたくなる。
っとまぁ、それほど原音に忠実であるということですね。
得意なジャンル
・音楽制作
・ポップス
・ロック
・ジャズ
MDR-CD900STは補修部品が入手しやすく長期的に使用できる
常に快適の状態を保つにはメンテナンスも必要になります。(消耗品の交換など)
MDR-CD900STに使われているパーツはすべて販売されており、パーツを集めて作ることもできます。(有名なヘッドホンなので、取り揃えている販売店が多く、通販なら即見つかる。)
MDR-CD900STパーツ類
例えば長期間使い過ぎてボロボロになったイヤパッドも即交換できます。
故障の原因で最も多いのが「断線」
プラグの断線も交換できますし、ヘッドバンドの中のケーブル断線もヘッドバンドを交換すれば元通り。
他にも「低音が足りない?」っと感じたらウレタリングというスポンジを交換すると劇的に低音が復活します。
MDR-CD900STは改造もできる
YAXIのstPad for Studio Headphoneという交換用のイヤーパッドはレザーや低反発ウレタンで耐久性を向上させています。
標準のものより摩擦に強く、交換頻度も激変できるでしょう。
またMDR-7506のスライダーを使えば、先代のMDR-CD900にも搭載している折りたたみスタイルにも改造できます。
性能に優れている割に価格が安い
価格は販売店にもよりますが2018年1月現在で「16000円前後」が平均です。
※安い販売店なら15000円を切るところもある。
プロが使うアイテムとしてはリーズナブルな値段設定ではないでしょうか。誰でも入手簡単というのもMDR-CD900STの評価ポイントです。
MDR-CD900STの評価は?
これといった悪い評価はあまり見かけません。敷いて言うなら長時間使用したり、高音部分では耳が痛くなることがあります。
モニターヘッドホンの選び方
モニターヘッドホンの種類はさまざま。大きく分けると「開放型」と「密閉型」がありますが、どちらがいいかと言うと好みになります。
では二つの特徴を見てみましょう。
開放型とは?
クラシックやジャズなどに適したヘッドホン。
スピーカ-の音が外に漏れる構造になっていて、まるでライブ会場や広い空間で聴いてるようなクリアな音質。
主に自宅でDTMを行うアーティスト用のヘッドホンです。
欠点は低音が弱く周囲の音(洗濯機など)も気になることがある。
密閉型とは?
ロックやポップなどに適したヘッドホン。
スピーカーの音は外部に漏れず外部からの音もシャットアウトします。この記事で紹介しているソニーのMDR-CD900STもこのタイプ。
主にスタジオで作業するプロ用のヘッドホンです。
モニターヘッドホンを選ぶポイントは一つだけ
モニターヘッドホンを選ぶ上で最も重要なのはお洒落なデザインでも綺麗なサウンドでもありません。
どれだけ「フラットな音」で聴こえるか
この一つだけなんです。
条件を満たすものであればソニーのMDR-CD900ST以外でも大丈夫です。
たとえばaudio-technicaもモニターヘッドホンとして有名ですね。価格も5000円程度(2018年1月現在)で評判も非常にいいです。
私もお金がない学生時代はこちらのヘッドホンを使用していました。いきなりプロ用!?と不安な方はaudio-technicaという選択肢もあります。
つけ心地がよく、長時間装着しても少し耳が痛くなる程度で音質も値段以上のものがありました。初心者の方にはおすすめですよ♪
また楽器店や、家電量販店でそれぞれの違いを聴き比べて自分に合うもの納得するものを見つけるのもいいでしょう!
Amazon売れ筋ランキングをチェック
Amazonで販売されているモニターヘッドホンの売れ筋ランキングは1時間ごとに更新されています。
最新の売れ筋商品をチェックして参考にするのもいいでしょう。
まとめ
今回紹介したのはソニーのMDR-CD900ST
元々業務用として販売されていたものが一般販売され、今でも廃ることなくプロエンジニアが使用しています。
フラットサウンドで原音をそのまま出力、プロ用のヘッドホンで制作された音楽は、どのような再生環境でもイメージを壊すことはありません。
快適な制作環境を整えておくことも、素晴らしい音楽を生み出す一歩ですよ♪