様々なギターエフェクターの中で最も使用率が高い歪み系「オーバードライブ」
そして、同じ歪み系でも似たようなものに「ディストーション」というエフェクターがあります。
さて、この二つのエフェクターですが一体何が違うのでしょうか?
二つの違いについて簡単な解説と、参考動画を見てみましょう♪
目次
オーバードライブってなに?
オーバードライブとディストーションの違いは、まずオーバードライブを知るところから。
オーバードライブと言えば最もポピュラーなエフェクトで「ジャガジャーーン!」と歪んだ音が特徴的ですね。
さて、このエフェクターですが一体どのように生まれたのか?というと
1950年代のギターアンプはクリーントーンしかでなかったんですが、ある時、音量を上げ過ぎて出力音が歪んでしまいました。
この現象がきっかけで、その音を耳触りしない優しい音量で意図的に作りましょう~って出来たのがオーバードライブエフェクターなんです。※内部回路については省きます。
この歪み具合はエフェクターの種類によってさまざまで、とんでもなく歪むオーバードライブもあれば、マイルドに歪むオーバードライブもあり、それぞれ好みで使用します。
ディストーションとの違いは?
歪ませる原理はオーバードライブと同じで違いは「歪みの量」と思っていて大丈夫です(ただし回路の仕組みは違いますがここでは省略します)
・オーバードライブは「浅く歪む」
・ディストーションは「深く歪む」
こんなところでしょう。
ディストーションはその歪みレベルからハイゲインになるにつれてピッキングニュアンスが失われアルベジオなどの演奏には向かなくなります。
また、オーバードライブとディストーションは歪みの量が違うと記述しましたが、最近のエフェクターは「ディストーションのように深く歪むオーバードライブ」があったり「オーバードライブのように浅い歪みのディストーション」もあり、結局のところメーカーがどう呼ぶかで決まります。
二つの違いを歴史で見てみる
1973年にMXRというメーカーから「Distortion+」が発売。
それから17977年以降BOSSから「OD-1(オーバードライブ)」「DS-1(ディストーション)」が発売。
この商品名がきっかけで「オーバードライブ」と「ディストーション」という言葉が定着し、次々発売されていく歪み系エフェクターを区別するきっかけとなりました。
オーバードライブ・ディストーション使い方
歪み系エフェクターは深くなればなるほど倍音が増えていき、同じ倍音上にある5度離れた2音(例えばドとソ)やオクターブは綺麗に響いてくれるので、和音演奏には向いています。※バッキング演奏など。
他にもアンプで歪ませた音に+アルファで「ブースト」させ、目立たせたりもします。
伴奏のことです。和音を押えてストロークしメロディーを歌うわけですが、このストロークの部分がバッキングと言われます。
年代別エフェクター(ヴィンテージ~最新作)
歴史あるヴィンテージエフェクターから最新のエフェクターを紹介します。
MXRのヴィンテージディストーション
MXR M104 DISTORTION+
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
1973年にMXRから「Distortion+」が発売。
ディストーションという名を広めた80年代の歴史あるエフェクターで、今でも名器として存在しています。
当時ギター音色を変えるものはありましたが、大型で演奏中の切り替えも困難なものでしたが、そんな問題を解決してくれたのがこのエフェクター。
軽量で頑丈、足元のペダルでオンオフを操作できる仕様はギタリストにとって画期的なものでした。
さて、機能とサウンドはどうか?
まずコントロールは以下の二つで至ってシンプル。
左が「OUTPUT(音量レベル)」
右が「DISTORTION(ゲイン調整)」
ディストーションレベルを上げても音痩せが少なくブースターとしても使用可能。このエフェクターは歪みの深さ、音量など生産された時期で異なります。
現在のDistortion+はゲインが高めで歪みは荒く、硬めの音が特徴的でしょう。
つまみもシンプルで初心者でも扱いやすいペダルだと思います♪
BOSSのヴィンテージディストーション
BOSS Distortion DS-1
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
1978年にBOSSから「DS-1(Distortion)」が発売。BOSSのディストーションエフェクター初号機です。
大型真空管アンプサウンドを再現したOD-1の歪みの少なさに不満が募り、その不満を解消すべく作られたのがこの機種です。
当時歪まないアンプが主流だったんですが、このDS-1の登場で、そのメタルな歪みに衝撃が走ったそうです。
コントロールつまみは左から「TONE(音質の柔らかさ)」「LEVEL(アンプへの出力)」「DIST(歪みの強さ調整)」の3つとなっています。
サウンドはザクザクと心地いいディストーションサウンドで、クランチかディストーションまで幅広い音作りができます。
使い方はいくつかあり一つはアンプ側で歪みを作っておきギターソロ用でエフェクターをONにします。これでギターソロが際立ちますね。もう一つはアンプ側をクリーントーンでセッティングしギターソロ以外はアルペジオやカッティング。ソロになったらディストーションをONにし深い歪みを表現します。
ペダルを踏むたびに凄い歪みとサステインの長さから初心者の方なら上手くなったような気がして楽しく弾くことができます♪
BOSSのヴィンテージオーバードライブ後継者
BOSS OverDrive OD-3
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
1977年にBOSSから「OD-1(Overdrive)」が世界初のオーバードライブペダルとして発売され、その20年後1997年にOD-1の後継機種として発売されたのがこの「OD-3」※基盤の構造は全く違い、より進化している(デュアルステージ・オーバードライブ回路)
コントロールつまみは左から「LEVEL(アンプへの出力)」「TONE(音質の柔らかさ)」「DRIVE(ゲイン調整)」となっています。一般の歪み系エフェクターと音の作り方は同じ。
音質は中音域が強調されたコモッただけの音ではなく心地いいカラっとしたドライブサウンドで、粘りあるサステインが特徴的です。
OD-1と比べるとロックなエフェクターかと。
ギターソロのブースターとしても使用でき歪みは太く甘い。あらゆる面で活用できるので一台もっていれば安心できますね♪
BOSSのオーバードライブ最新作
BOSS Overdrive OD-1X
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
BOSSのODシリーズ最新作として2014年に発売されたのがこの「OD-1X」
OD-1やOD-3と比較するとより強く歪みます。
コントロールつまみは左から「LEVEL」「LOW」「HIGH」「DRIVE」の四つでイコライジングの幅が広がり、ノブの下は鏡面仕上げの銀パネルと外見もかっこよくなりました。
アウトプットレベルが高く音量は稼げるので、ブースターとしても活躍できるかと。
LOW・HIGHつまみはセッティングしやすいほど効きます。
DRIVEですが、左に回せばクリーン、右に回せばディストーションと、歪みの幅はとても広い!またノイズも少なくなっています。
BOSSのディストーション最新作
BOSS Distortion DS-1X
fa-thumbs-o-up抑えておきたいポイント!!
BOSSのDSシリーズ最新作として2014年に発売されたのがこの「DS-1X」
DS-1と比較すると実践で使えるレベルまで来ています。大きな違いはアナログ(DS-1)からデジタル(DS-1X)になりDS-1のジャリっとしたフィズな要素がある音色からDS-1Xはまとまりがあるオーバードライブに近いディストーションとなりました。
またDS-1Xは音抜けも向上し一般的に使いやすいエフェクターになったのではないでしょうか。
LOW・HIGHはOD-1X同様、セッティングしやすいほど効きます。
DISTつまみは下げればブースターとして使用可能。上げれば歪み不足は問題ないかと。
オーバードライブ・ディストーション早見表~まとめ
原理は同じですが、以下のような違いがある。
オーバードライブ⇒浅く歪む
ディストーション⇒深く歪む
名前の違いは?
1973年にMXRというメーカーから「Distortion+」が発売。
17977年以降BOSSからOD-1(オーバードライブ)、DS-1(ディストーション)が発売。
これがきっかけでオーバードライブとディストーションという名前が定着し、歪みの強さで区別されるようになりましたが、結局メーカーがつける「言葉の違い」だけで、ディストーションのように歪むオーバードライブもあれば、オーバードライブのような浅い歪みのディストーションもあります。
エフェクター早見表
今回紹介したオーバードライブとディストーションをまとめます。
年代 | 商品名/詳細 |
1973年 |
MXR DISTORTION+ |
1978年 |
BOSS DS-1 |
1997年 |
BOSS OD-3 |
2014年 |
BOSS OD-1X |
BOSS DS-1X |